海底の夢
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こんな夢を見ました。
私と薫は海の底にいます。
辺りには透明な貝殻でできたカンテラが並んでいるので暗くはありません。カンテラの灯りは温かい橙色をしています。
海の中だというのに、私たちは呼吸ができますし、景色もとても綺麗に見えます。
だから、カンテラの灯りに照らされて、巨大な人魚の石像がそこかしこに並べられているのもよく見えました。
「ここは人魚の街なのかな?」
泡をプクッと出しながら言った薫の声も、驚くほどはっきりと聞こえます。
「それにしては人魚さんがいませんねぇ」
私はキョロキョロと辺りを見回します。ですが、やっぱり人魚の石像はあっても、人魚らしき姿は見当たりません。
一体どうなっているのかなと思っていると、近くの石像に彫られた碑文が目に入りました。
「エリスに安らかな眠りを」
そこでようやく、私はここが街ではなく、どうやら人魚のお墓らしいことに思い至ったのでした。
私と薫は海の底にいます。
辺りには透明な貝殻でできたカンテラが並んでいるので暗くはありません。カンテラの灯りは温かい橙色をしています。
海の中だというのに、私たちは呼吸ができますし、景色もとても綺麗に見えます。
だから、カンテラの灯りに照らされて、巨大な人魚の石像がそこかしこに並べられているのもよく見えました。
「ここは人魚の街なのかな?」
泡をプクッと出しながら言った薫の声も、驚くほどはっきりと聞こえます。
「それにしては人魚さんがいませんねぇ」
私はキョロキョロと辺りを見回します。ですが、やっぱり人魚の石像はあっても、人魚らしき姿は見当たりません。
一体どうなっているのかなと思っていると、近くの石像に彫られた碑文が目に入りました。
「エリスに安らかな眠りを」
そこでようやく、私はここが街ではなく、どうやら人魚のお墓らしいことに思い至ったのでした。
ファンタジー
公開:21/01/22 07:34
夢中探検隊
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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