彼のカレー

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『どうしたのそれ!』
久しぶりに会った彼はロングカレーをバッサリ切っていた。
「カレドネーションに寄付したんだ」
カレドネーション。育児放棄等で家庭の味の代表・カレーを知らずに育ってきた子供達にカレーを寄付し、無償で提供する活動だ。同様に肉じゃがドネーションやみそ汁ドネーションも存在する。
彼は少し恥ずかしそうに帽子を目深に被る。
「ショートカレーは嫌か?俺、昔は野球少年だったからスポーツカリーばっかりだったんだぜ」
確かに今の彼のカレースタイルも悪くない。
「短いからドライカレーの時間も減ったんだ」
言い訳がましくあれこれ言う彼の帽子を取り、その頭をそっと撫でた。ふわりとスパイスの匂いが漂ってくる。でもこれってロングカレー用のスパイスだ。
『今からショートカレー用のスパイス、一緒に買いに行こ』
彼は顔から火が出るんじゃないかってくらい赤くなる。
激辛カレーを食べたわけでもないのに変なの。
青春
公開:21/01/22 20:30
1月22日、カレーの日 ヘアーとカレー、刈とカリー カレーにちなんでかけてみた

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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