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同窓会の帰り道、幼馴染の美優と二人になった。そのまま美優と多摩川沿いのサイクリングロードを歩いた。僕は十年前の恋愛に決着をつけることにした。
「あのさ」
僕の言葉を無視するように、美優は石を川に投げた。川の表面を一、二、三と十まで跳ねた後、チャポンと音を立てて沈んだ。

「もし十回以上跳ねたら、僕と付き合ってくれない?」
美優は驚いた眼で僕を見たが、首は振らなかった。

僕は拾った猫石に想いを込め、川に投げた。猫石は丸い形状から猫の姿に変え、川の表面を軽やかに跳ねた。一、二、三。まるで夜空を駆けるように。四、五、六。その調子。七、八。パシャリと真っ暗な川から川魚が飛び上がった。僕の猫石は魚を見つけると、魚をくわえて川に潜っていった。



僕は茫然と川を眺めた。

「猫石は反則。やり直し」

美優はそっと僕の手に石を握らせた。

ねえ美優?
この石、三毛猫石だよね。
青春
公開:21/01/20 21:29
ねこいし

たらはかに( 日本 )

たらはかに

https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。

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