オム列島

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夫とバカンスにやってきた私は卵色したビーチを駆け回る。
ふわふわのスポンジのように柔らかな砂浜を全身で味わう。カナヅチの夫もこれなら大喜びだ。
卵黄のように真ん丸な太陽に照らされるも、日焼け止めのおかげで卵白のような肌は守られている。夕焼けで海がケチャップ色に染まるまで遊び尽くした。
夜はオム市中を観光。ふっくらとボリュームがある割に軽くて使いやすいオムシートはお土産の定番だ。
私は夫と二人で一つのオムシートに入り、夜空を見上げる。オムソバも乙なものだ。つい、指をソースのように絡め合い濃厚なキスを交わす。
翌日、どこに行こうかと夫と話していると「オムバー区゛がお勧めよ」と教えられた。
貴女はオムライス長官!?
「エッ区゛ベネディク都もいいわね。チキンライス大使が唱えるグリーン&ピースの野菜は最高よ」
呆然とする私達に長官はウインクする。
「オム列島こと、アイランドキッチンで満腹になってね」
公開:21/01/21 19:32

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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