虹渡り
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稀比都市に虹がかかれば、それは虹渡りができるということだ。虹渡りは稀比都市の中であれば、誰でもすることができる。
生まれも育ちも稀比人市の稀比っ子であろうとも、外から観光でやって来た人であろうとも、誰もが分け隔てなく渡ることができる。
ただ、稀比人市の人たちは虹渡りなんて子どもの頃からやっているので、中学生にもなるとやらなくなる。
だから、主に虹を渡るのは小学生とか、あるいは物珍しがる観光客と相場が決まっている。
後は、私のように講義を自主休講して虹渡りをしちゃってる大学生とかが例外的にいるくらいだろうか。
「久々に上ったけど、思ったより迫力あるなぁ」
麻衣は感動したらしく、スマポでパシャパシャと眼下に見える風景を撮っている。
私は虹色の手摺を掴んで、雲一つない空を見上げた。下の世界の煩わしさに、今だけは囚われていないように思えて、ほんの少しだけ気分が軽くなった。
生まれも育ちも稀比人市の稀比っ子であろうとも、外から観光でやって来た人であろうとも、誰もが分け隔てなく渡ることができる。
ただ、稀比人市の人たちは虹渡りなんて子どもの頃からやっているので、中学生にもなるとやらなくなる。
だから、主に虹を渡るのは小学生とか、あるいは物珍しがる観光客と相場が決まっている。
後は、私のように講義を自主休講して虹渡りをしちゃってる大学生とかが例外的にいるくらいだろうか。
「久々に上ったけど、思ったより迫力あるなぁ」
麻衣は感動したらしく、スマポでパシャパシャと眼下に見える風景を撮っている。
私は虹色の手摺を掴んで、雲一つない空を見上げた。下の世界の煩わしさに、今だけは囚われていないように思えて、ほんの少しだけ気分が軽くなった。
ファンタジー
公開:21/01/20 07:19
稀比都市サーガ
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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