並走
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稀比都市内を走る琴蕗鉄道の電車内から外を見ていると、時々、ビルが並走して来ることがある。
それはどこから見ても、よくある普通のビルなのだが、下の部分にガラス張りの触手のようなものがついていて、それを凄まじい勢いで動かしながら、電車と同じ速度で走っているのだ。
どうしてビルが電車と並走するようになったのかはよく分からない。
ただ、私の祖父が若い頃には、すでに琴蕗鉄道の列車とビルが並走することはあったそうだ。
また、祖父の母親という人は、列車が稀比都市内を通るようになって数年後に、電車の真横を大きなお屋敷が並走しているのを見たことがあったという。
だとするならば、この建物らしき存在は明治時代末期から列車や電車に並走し続けており、しかも時代ごとに姿形を変えているということになる。
そう考えると、こんなことにも歴史を感じて、思わず感心してしまうのだった。
それはどこから見ても、よくある普通のビルなのだが、下の部分にガラス張りの触手のようなものがついていて、それを凄まじい勢いで動かしながら、電車と同じ速度で走っているのだ。
どうしてビルが電車と並走するようになったのかはよく分からない。
ただ、私の祖父が若い頃には、すでに琴蕗鉄道の列車とビルが並走することはあったそうだ。
また、祖父の母親という人は、列車が稀比都市内を通るようになって数年後に、電車の真横を大きなお屋敷が並走しているのを見たことがあったという。
だとするならば、この建物らしき存在は明治時代末期から列車や電車に並走し続けており、しかも時代ごとに姿形を変えているということになる。
そう考えると、こんなことにも歴史を感じて、思わず感心してしまうのだった。
ファンタジー
公開:21/01/20 07:15
稀比都市サーガ
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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