真夜中のクリエイティブタクシー

22
10

タクシーに1人の男が乗り込んできた。
革ジャンにサングラス、裸のギターを抱えている。
「どちらまで?」
男は口元にニヤリと笑みを浮かべた。
「ピリオドの向こう側…」
運転手は困り顔だ。
「あの住所で言って頂けます?」
「それがわかれば苦労はしないのさ。どこに行きたいのかさえもわからない孤独な夜…」
「とりあえず走り出せばいいですか?」
「それサ!」
男はギターをかき鳴らした。
「汚れちまったマイウェ〜イ行き先はお前次第♪」
新しいメロディーが溢れ出す。
「お前が俺を未来に運んでくれるのっさぁー♪」
夜の街をタクシーは自由に進む。
やがて運転手は車を停めて後ろに振り返った。
「着きましたよ」
「どこだここは?」
男がタクシーから降りると、そこは大きな公園の野外音楽堂だった。
「完成した歌をここで聴かせてもらえませんか」
男はニヤリと笑みを浮かべた。
「月まで届かせてやるぜ。俺様のビート!!」
青春
公開:21/01/18 01:21
更新:21/01/18 07:48

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容