血は争えない

ウチは代々高級寿司屋を営んでいる。
とても厳しい店で、まず一見さんお断り。
ネタに拘りを持っていて、客に注文させない。こちらが良いと思ったものだけを出してはこちらの指定した金額を請求する。
よくこんなので訴えられないな。よく潰れないな。子供心に思ったものだ。
そして女子供に寿司は握らせないという。
娘の私に下拵えはさせるのに寿司は握らせない。私は寿司が大嫌いだった。

そんな私が運命的な出会いをする。
回転すし。
リーズナブルな値段で好きなネタを選んで食べられる。
ハンバーグにエビフライ？常識を覆された。
だから私は家を出た。
回転すし職人になると父に言ったら勘当された。
上等だ！私は回転すしで私の寿司道を極める！
回転すしは邪道？好きに言えばいい。
邪の道は蛇。回転すしとはイブが口にした知恵のリンゴ。私は蛇となる！
そんな強い拘りはやっぱり父譲りかな？
父よ。いつか見返してやるからな！