紫の信号

ジェフは社会心理学者だ。
彼は公衆規則に対する人の反応に興味があり、ある実験を行った。
それはもしも青と赤の中間である「紫の信号」が交差点に設置されていたら、人は咄嗟にどう解釈するのかというものだ。
結果は次のようになった。

＜被験者Ａ＞
一歩進むごとに立ち止まり、また一歩進むを繰り返した。

＜被験者Ｂ＞
横断歩道の中間地点まで普通に歩き、そこで信号の色が変わるのを待ち続けた。

＜被験者C＞
助走をつけて横断歩道に一歩踏み込むも、そこで寸止まりし、これを何度も繰り返した。渡りそうでついに最後まで渡らなかった。

＜被験者D＞
横断歩道の手前でおもむろに荷物を置き、服を脱ぎ出した。そして丸裸になると横断歩道を悠然と渡っていった。荷物と服は置き去りにされた。

ジェフはこれらの結果を踏まえて次の結論を導き出した。
「もし街の交差点に突如として紫の信号が現れると、そこで大喜利大会が始まる」