神使ごろし

ある神社の境内にある林の中で、男が首を吊って死んでいたの見つかった。
しかし、ニュースキャスターや警察が聞き込みをしても、周囲の人は口を揃え
「死んで当然」「だって殺したんだもの」と言った。

神社の神主に事情を聞くことができた。
ここ数日、神社の境内にカラスの死骸が積まれていた。
その死骸の山を作ったのが、あの首を吊った男だという。
男はなぜ死骸の山を作ったのかと聞くと
うるさい。ゴミを漁る。きたならしい。
その程度の理由でカラスを殺し続けていたのだ。
どうやらその自責の念で男は死んだというのが世間の見方らしい。

最後に神主は天を仰いで言った。
「彼は八咫の神様の怒りに触れたのです」