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「君はハンバーガーとUFOの区別もつかなかったというのかね」
第三宇宙からやってきた超小型知的生命リトルスは自身らの時空間転移装置をマクドナルド・ハンバーガーのビッグマックに擬態させていた。目的は地球人体の侵略である。
「わかりませんよ。ソースの味付けまで完璧なんです。ピクルスなんて、成城石井もびっくりするほどのクオリティで……」
「人権なんて言ってる場合じゃないんだよなあ」
ドクター・坂上はマック・シェイクをずるずる吸いながらテリヤキバーガーの咀嚼を続ける。
「テリヤキおいしいですよね」
坂上はこくこくと頷き、ごきゅん、と喉を鳴らす。私の口内にも唾液の膜が広がっていく。
「最後に怒りの感情を抱いたのはいつだ」
「二週間前くらい」
「重症だ」
リトルスたちは人間のもつ負の感情をエネルギー源としている。
「とにかく、隔離だ」
そのとき、シェイクの蓋が外れ、ふよふよと窓の外へ移動していった。
SF
公開:21/01/17 12:00
更新:21/01/17 11:48

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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