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階段を降りてくると、エレベーター前に同い年くらいの女性がいて、階数表示灯を眺めている。なんとなく会釈をし、少し離れて立つ。階数表示はずっと5のままだ。
「故障でしょうか?」
と、彼女が僕を見る。はっきりいってタイプだ。僕は努めて冷静に「どうでしょう」と首を傾げる。
彼女は再び階数表示灯を見る。
「ワタシいつも階段なのに。突然エレベーターで降りるだなんて言うから……。レストランを選ぶときからヘンだったんです」
レストラン街は8階だ。
「僕も階段です。8階からだといい運動になりますからね」
そう言うと、彼女はため息をついた。
「エレベーターが怖いんです」
僕は、今の失策を挽回しようと頭をぐるぐる回した。
「エスカレーターなら、怖くないし疲れませんよ」
「エスカレーター?」
「ええ。これから行ってみませんか?」
「エスカレーター!」
五階に着くと彼女は消え、僕は再び階段を降りた。
「故障でしょうか?」
と、彼女が僕を見る。はっきりいってタイプだ。僕は努めて冷静に「どうでしょう」と首を傾げる。
彼女は再び階数表示灯を見る。
「ワタシいつも階段なのに。突然エレベーターで降りるだなんて言うから……。レストランを選ぶときからヘンだったんです」
レストラン街は8階だ。
「僕も階段です。8階からだといい運動になりますからね」
そう言うと、彼女はため息をついた。
「エレベーターが怖いんです」
僕は、今の失策を挽回しようと頭をぐるぐる回した。
「エスカレーターなら、怖くないし疲れませんよ」
「エスカレーター?」
「ええ。これから行ってみませんか?」
「エスカレーター!」
五階に着くと彼女は消え、僕は再び階段を降りた。
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公開:21/01/17 09:36
更新:21/01/17 09:38
更新:21/01/17 09:38
新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。
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