星の王子さまの思い出が消えた

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王子さまは、自分の星から見える景色ぼんやり見つめていた。
これまでたくさん旅をしてきた王子さま。
だけど、何かがたりない。
大切なことを教わったかもしれない。
大きな冒険だったかもしれない。
だけど、胸のあたりがキュッとするのだ。
遠くにあるあの青い星は、いったいどこにあるのだろう。
王子様は考えても考えても、つらくなるだけだった。

考えているうちに、王子さまは眠くなった。
ぼんやりする頭の中で浮かんだのは、最後に見上げた、体を噛まれた痛みとあの眩しい光。
その光景を思い出すうちに、王子さまは眠りについた。
どれくらいの時がたっただろう。
王子さまは眠りっぱなしのままだった。

流れ星がいくつか通りすぎたあと、王子さまは目を覚ました。
その表情はどこかはれやかで、何も知らない、子どものようだった。
王子さまは赤い花にむかって言った。
「ねえ、きみはだあれ?」
ファンタジー
公開:21/01/17 00:23
ファンタジー 星の王子さま

十一 紅空( 関西 )

とかず あく と申します。
駆け出しの物書きです。
文章のトレーニングに励みつつ投稿していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

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