今日の献立

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「今日の晩ごはんは何かな」Sは浮き浮きしてテーブルに座る。
台所ではロボットがせわしなく動いている。
この時代、料理はロボットがするのが常識だ。無数のレシピが内蔵され、一流料理人の動きを再現し、その味は三つ星レストランにも引けをとらない。
買い物も不要だ。産地から具材が自動配送される仕組み。
最初は献立の要望を出していたが、それもロボット任せになった。
ロボットがテーブルに料理を並べた。和食の魚料理だ。
Sは早速食べ始めたが、眉をひそめた。
「なんだか味が薄いな。量も少ない気がするぞ」
Sはロボットを呼びつけた。「好みの味付けと違うんだがね。故障じゃないの?」
「故障ではありません。新しいサービスでお客様の健康状態を考慮することになりました。S様の場合、塩分やカロリーを減らす必要がございまして」
Sは嘆いた。とんだ時代になったものだ。食事まで機械に管理されるとは。これじゃまるで病院食だぜ。
SF
公開:21/01/17 00:18

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