留守番の条件

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父と一緒にお墓の掃除にやってきた。
「何も面白いものなんてないぞ」と父は言うがそんな事はない。きっと今回も彼が待っている。
彼はお墓に座って足をぶらぶらさせていた。罰当たりな行為に見えるが何の問題もない。だって彼は幽霊なんだから。それもこの屋敷墓に住んでいる幽霊だ。
彼はこの時期、屋敷墓にいる家族が皆出払っているからととても暇にしている。留守番ってつまんないよね。
だから僕は彼と遊ぶ。
僕は彼に、彼の知らない現代とアニメの事を教える。
彼は僕に、僕の知らない過去とあの世の事を教えてくれる。
僕らは親友だ。
僕は彼に漫画を供える。彼、凄く喜んでくれた。
普段は屋敷墓から出られない彼。彼は留守番をする条件に、僕が墓参りに来た時だけ外で遊んでいいと約束を家族と取り付けたらしい。本当に親友冥利に尽きる。
彼の家族はどこに行ったのかって?親族に『今年も墓参りに来いよ!』って言いに出かけたんだって。
公開:21/01/16 20:25

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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