留守番の条件

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みなしごで、行く当てのない私を拾ってくれたのは優しい夫婦だった。
私は体が弱く、碌に働く事が出来ない。いつまで経っても子供のように小さいままの体はどこに行っても邪魔者扱いされていた。
そんな私に夫婦は留守番を頼んできた。
共働きの夫婦は先に帰ってきた方が寂しいを思いをするそうだ。それを少しでも和らげてほしいと頼まれた。
私は喜んで留守番を引き受けた。簡単な家事を行うと凄く喜ばれた。毎日、夫婦を出迎えるのは楽しかった。
幸せな日々だった。仕事も順調でお金がどんどん貯まっていく。
だが、そんな幸せも終わりを告げる。夫婦も寄る年波には勝てず、静かに息を引き取った。
残されたのは子供の容姿をした大人の私。
私は家を出た。夫婦から貰った優しさを今度は私が子供達に与えよう。
この時から私の体にさらに変化が起こった。なんと大人が私の姿を見る事が出来なくなった。
その後、私は座敷童と呼ばれるようになった。
公開:21/01/14 20:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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