めざまし
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今日もあなたは起きて来ない。
「……」
昨晩、寝る前にセットした炊飯器のタイマーが鳴る。それでもやっぱり起きて来ない。
(さて……)
炊けたお米の匂いが立ち込めるリビングを出て、私は寝室へと向かった。
音を立てないようドアをそっと開けて中を覗くと、布団は小さく、規則正しく上下していた。それを確認して短いため息を吐いた後、私はゆっくり布団へ近付いて、小さく動くそこに向かって囁いた。
「炊き上がったばかりのツヤツヤご飯」
「……」
「ふんわりとお茶碗によそって、真ん中に小さな窪みを作ります」
「……」
「そこにぽとん、と真っ黄色の卵を落として」
「……」
「上からお醤油……出汁醤油を、くるりと一周回しかけます」
「……」
「仕上げに、ごま油を少々」
「……あ、はは」
笑い声と一緒に、あなたが布団から出てくる。それにつられて、私も笑う。
これが私たちの、一日の始まり。
「……」
昨晩、寝る前にセットした炊飯器のタイマーが鳴る。それでもやっぱり起きて来ない。
(さて……)
炊けたお米の匂いが立ち込めるリビングを出て、私は寝室へと向かった。
音を立てないようドアをそっと開けて中を覗くと、布団は小さく、規則正しく上下していた。それを確認して短いため息を吐いた後、私はゆっくり布団へ近付いて、小さく動くそこに向かって囁いた。
「炊き上がったばかりのツヤツヤご飯」
「……」
「ふんわりとお茶碗によそって、真ん中に小さな窪みを作ります」
「……」
「そこにぽとん、と真っ黄色の卵を落として」
「……」
「上からお醤油……出汁醤油を、くるりと一周回しかけます」
「……」
「仕上げに、ごま油を少々」
「……あ、はは」
笑い声と一緒に、あなたが布団から出てくる。それにつられて、私も笑う。
これが私たちの、一日の始まり。
その他
公開:21/01/14 05:41
更新:21/01/14 05:43
更新:21/01/14 05:43
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朝
初心者です、よろしくおねがいします。
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