積読罪
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積読罪の容疑がかかったのは二歳年上の兄だ。
買った小説を一切読まずに、ただ部屋に積んで置くだけという大罪を犯した。読まないなら読まないで、きちんと本棚にしまっておけば罪に問われなかったものを。
兄弟として庇ってやりたいところだが、現行犯のため言い逃れもできない。
警察に両脇を抱えられた兄が、俺を振り返り「嵌められた!」と叫んでいる。昨日までは確かにしまってたんだ!とも叫んでいたが、話は署で聞くと一向に相手にされていなかった。
連れていかれた兄は、二週間ほどで帰ってくるだろう。さて、それまでに全て読み終えなければ。
俺は兄の部屋にこもって、床に積まれた小説を読み始めた。
何せあの兄貴、読んだ後なら貸してやると言うくせに、読むまでが遅くて一向に回ってこないのだ。
買った小説を一切読まずに、ただ部屋に積んで置くだけという大罪を犯した。読まないなら読まないで、きちんと本棚にしまっておけば罪に問われなかったものを。
兄弟として庇ってやりたいところだが、現行犯のため言い逃れもできない。
警察に両脇を抱えられた兄が、俺を振り返り「嵌められた!」と叫んでいる。昨日までは確かにしまってたんだ!とも叫んでいたが、話は署で聞くと一向に相手にされていなかった。
連れていかれた兄は、二週間ほどで帰ってくるだろう。さて、それまでに全て読み終えなければ。
俺は兄の部屋にこもって、床に積まれた小説を読み始めた。
何せあの兄貴、読んだ後なら貸してやると言うくせに、読むまでが遅くて一向に回ってこないのだ。
その他
公開:21/01/13 23:43
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