留守番の条件

私の部屋には幽霊が出る。それは部屋を借りる時、不動産屋からも注意された。私は幽霊が出ることを承知でここに住んでいる。
聞けば、ここに出る幽霊は私と同い年（享年）である。それを幽霊から聞いた。
幽霊は話せば分かる奴でここに住み始めて１ヶ月、今ではすっかり仲良しだ。
朝は起こしてくれるし、ポルターガイストで炊事・洗濯・掃除もお手の物。私を陰で支えてくれる。
いつも家にいてくれるから空き巣の心配もない。
実際、１週間前に空き巣に入られた。玄関のドアを開けると金縛り状態の空き巣がいたものだから、むしろそっちの方が驚いた。
働き者の幽霊は今では私の生活には欠かせない。
だから私はお礼にと、幽霊にスイーツを供える。食べるのは私だが、幽霊はそれで満足してくれる。
今の幽霊との生活は本当に最高だ。
前に同居していた幽霊は話が通じないタイプだったので留守番一つ任せる事が出来なかった。