夏の電話

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青い空である。
雲ひとつない真っ青な空である。
気温はとっくに30度を越えている。
土の道である。
時折自動車が微かに土ぼこりを上げて通り過ぎてゆく。
乾いた薄茶色が陽に焼けて暑さが増す。
田んぼだらけである。
緑の稲に朝露が残っていて日光を反射して時折小さな輝きを見せる。
害鳥除け用にたてられている幟の細く切られた金銀の紐が大きく反射して眩しい。
時折その光が開け放たれた部屋の中に入ってきて賑やかに踊る。昼ごはんを食べた後は家の中でも一番涼しい部屋に向かう。
すべての窓や戸を開け放ち、少しでも多くの風が入ってくるようにする。
並べた座布団の上に横たわる。
土や田んぼからなのか時折送られてくる風が涼しい。
扇風機を点けようか、でも団扇でもよいか。
迷っているうちに眠ってしまったようだ。
先ほどまで使っていた団扇がお腹の上に乗ったままだった。
リーン。
目が覚めたのは電話が鳴ったからだった。
その他
公開:21/01/15 17:00

フミさん

時間がある時に書き散らしたものを備忘録的に上げています。
乱文にも拘らずコメントをいただいた方々ありがとうございます。
たまにしかアクセスしないので、コメントを読めない事が多々ありますので予めご了承ください。

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