可愛い愛しい私の子

私には一人娘がいる。旦那と離婚した時も、ずっと私に着いてきてくれた可愛い我が子。ずっと寝たきりで歩くことも出来ないけれど、不自由な想いはさせたくなくて、私は一生懸命働き、時間を見つけては娘との時間を作っていた。
「今日街でね、素敵な服を見つけたのよ。貴女に似合うと思って、すぐに買っちゃった」
そう言って紙袋から服を取り出して娘の身体に当ててみる。やっぱり思った通りだわ。とても良く似合ってる！
「すっごく素敵よ。今度このお洋服を来て一緒にお外を散歩しましょうね？」
そう言って娘の頭を撫でると、娘はカクンと頷いた。あまりに大きく頷き過ぎて、身体がベッドから落ちそうになってしまったけど。
「楽しみなのはわかるけど、少し落ち着きなさいな」
そう言って娘をベッドに寝かせ直した。



「ねぇ、知ってる？ここの奥さん…」
「娘さんが事故で亡くなってから、ずっと人形を娘さんとして扱ってるんですってね…」