帰る

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「あ、カツラが飛んでる!」


キレイな青空の中をそれは飛んでいる。眩しい日差しが輪郭を強調させる。とても気持ち良さそうにふわり、ふわり、と泳ぐ。


まるで切り取られた芝生の様だ。


爽やかな風に乗り、こちらに少しずつ近付いてくる。


なぜか、今は亡きおじいちゃんの言葉を思い出した。
「落し物はいつか持ち主の元へと帰る。必ず」


あのカツラもその持ち主を探しているのだろうか。
「必ず帰ろう」と必死にこの空を飛んでいるに違いない。


そんな事をふと思っていると、隣の彼が私の手をそっと握った。


近くのベンチへと腰を下ろし、チュッと可愛くキスを落としてくれた。


胸がめいっぱいにキュンとなる。


目を開けると、彼の両手の上にふさふさなものがスッと滑り込んできた。


あ、これ……さっきの

彼はそれを愛しそうに撫でた。
そして、目を細めて嬉しそうに微笑んだ。

「おかえり」
その他
公開:21/01/15 10:53
更新:21/01/15 10:56
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howari

短編小説好きです。pixivで2次創作、エブリスタ、monogatary.comでオリジナル書いてます。まだまだ未熟ですがよろしくお願いします!

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