寒いので、一生こたつから出たくないです

東京の冬は乾燥して寒い。雪が降ることは滅多にないが、霜が降りることもあれば、氷も張る。それなりに冷えるのだ。

冬といえばこたつである。やはりこの駄目人間製造機の威力は抜群で、毎年のように、この罠から脱出できなくなるものが後をたたない。

「着る毛布」なるアイテムが開発されたが、それ自体が発熱するわけではないので、しょせんはこたつに勝てるものではなかった。

日本人の商品開発への執念が、寒さと戦う精神と合わさり、ついに超小型バッテリー搭載の【モバイルこたつ】が開発されるに至った。とはいえ、側（がわ）は従来のママなので、天板が60センチ四方のものが小型化の限度であった。

しかし、「こたつから出たくない！」という思いを持つ人々の間で需要が拡大し、通勤通学の間もこたつが手放せなくなる事態が発生した。かたつむりややどかりのごとく、こたつから出ないまま移動する人が世の中にあふれた。

すばらしい！