クジラと俺

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 船が沈み遭難する俺に流れてきたのは小さな袋だった。小さなぬいぐるみ?いやクジラだ。掌サイズの。しかも声をかけると大きくなった。目はクリクリしている。俺は背中に乗った。クジラと航海する。そして陸地に辿り着いた。クジラは鳴き声と共に小さくなった。

 俺はこいつを持ち歩き町の市場を歩く。久しぶりの賑わいは嬉しかったが誰も知り合いはいないことに寂しさを感じた。だからか俺は、ポケットに手をいれて声をかけた。そして市場は騒然となる。
 
 警察や保健所の人がやってきた。彼らは「クジラを研究所に運ぶぞ」と言い出し俺を制止する。

「何するんだ!?返せ!」

「規則だから駄目だ」

俺は全く相手にされなかった。

 大型のトレーラーに載せられたクジラ。唯一のパートナーが奪われる。俺はまた独りになる。そしていなくなる。誰一人、相手にされない。そんな人生、もう嫌だ。

「返してくれ・・・クジラを」
ファンタジー
公開:21/01/13 12:00
更新:21/01/12 12:03

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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