歩道橋の真ん中で
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どちらかというと徒歩は嫌いなのだが、たまに歩道橋を渡ってみたくなる時がある。上ると幾多の車が足の下を通り過ぎていく。ふわっと浮いたような感覚になり、一瞬だけ幹線道路の支配者になれる。さらに歩くと、視点が高いおかげで景色がダイナミックに変わっていく。
娘は高校生になり、家族でありながら付き合い方に悩んでいる。妻とはよく話しているようだが、正直私とは上手くいっていない。孤立しそうで怖い。
そんな時、こうして一人で歩道橋に来る。
真ん中で立ち止まり上を見ると、垂直に交わるように首都高が通っている。小さく見えた車が、頭上で地響きを立て通過していく。足下を見ると、床はひび割れ、壁はサビだらけだ。
この建造物はいつの日か都会から孤立し、撤去されてしまうのだろう。
大きな歩道橋の中央で、天地を行く自動車の轟音にいっそかき消されたら。
少し速まった鼓動が抑まるまで、しばらくそこに立ち止まっていた。
娘は高校生になり、家族でありながら付き合い方に悩んでいる。妻とはよく話しているようだが、正直私とは上手くいっていない。孤立しそうで怖い。
そんな時、こうして一人で歩道橋に来る。
真ん中で立ち止まり上を見ると、垂直に交わるように首都高が通っている。小さく見えた車が、頭上で地響きを立て通過していく。足下を見ると、床はひび割れ、壁はサビだらけだ。
この建造物はいつの日か都会から孤立し、撤去されてしまうのだろう。
大きな歩道橋の中央で、天地を行く自動車の轟音にいっそかき消されたら。
少し速まった鼓動が抑まるまで、しばらくそこに立ち止まっていた。
その他
公開:21/01/10 20:00
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