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古典型式の蒸気機関車が、猛々しい狼煙を噴き出しながら"死"を蹴散らしていた。
上に跨がり、おおはしゃぎしている熊亜種の男の子を、おおはしゃぎしながら鳥亜種の母が支え、その二人を熊亜種の父が落ち着いて支えている。
「君が一番はしゃいでないか」
「だってこんな事、私らが子どもの時にできなかったでしょ!」
「今もそうだろ。普段はだめだってちゃんと教えなよ」
「もちろんよ。でも、あなたもやってよね」
彼らは、"ハロウィンの夢"の友達であり、この悪あがきに悪ノリした共宴者である。
本来は機関車に跨ることは勿論、"死"を蹴散らすのに利用するのも許されない行為だが、ハロウィンがもたらした享乱の空気と勢いがこれを実現させていた。
その品性に欠けた無秩序な祭典に不快感を表す者も当然少なくはなかったが、そんな真っ当な意見よりも友人たちが優先したのは、夢のような時間を純粋に楽しむ子どもの笑顔だった。
上に跨がり、おおはしゃぎしている熊亜種の男の子を、おおはしゃぎしながら鳥亜種の母が支え、その二人を熊亜種の父が落ち着いて支えている。
「君が一番はしゃいでないか」
「だってこんな事、私らが子どもの時にできなかったでしょ!」
「今もそうだろ。普段はだめだってちゃんと教えなよ」
「もちろんよ。でも、あなたもやってよね」
彼らは、"ハロウィンの夢"の友達であり、この悪あがきに悪ノリした共宴者である。
本来は機関車に跨ることは勿論、"死"を蹴散らすのに利用するのも許されない行為だが、ハロウィンがもたらした享乱の空気と勢いがこれを実現させていた。
その品性に欠けた無秩序な祭典に不快感を表す者も当然少なくはなかったが、そんな真っ当な意見よりも友人たちが優先したのは、夢のような時間を純粋に楽しむ子どもの笑顔だった。
ファンタジー
公開:21/01/10 19:08
更新:21/01/14 00:21
更新:21/01/14 00:21
連作
ファンタジー
ハロウィン
家族
機関車
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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