めぐる
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「あなたの前世は、牛です」
占い師が水晶玉を覗いて言う。
「本当ですか?」
「ええ、あなたは家畜として飼われ、よく働いていたようです」
やれやれ、前世でも働き詰めか……私は苦笑した。叩き上げで社長になって数年が経つ。
「飼い主は……現在あなたの秘書をされている方」
「え?園山?」
「あなたは前世で、飼い主に相当こきつかわれ不満を抱えていたようです。その強い思いが現世へと繋がったのです」
「そんなことあるんですか?」
「ええ、すべての因果は廻っているのです」
「社長、どうでした?」
部屋から出た私を園山が迎える。
「廻り合わせってのは、不思議だな」
「……ということらしい。この後、社長は園山をこきつかい過労死に追いやった。そう占い師が教えてくれたよ」
監督が投手である私に言う。
「廻り合わせってのは、不思議だな。君にはこのチームで壊れるまで投げてもらう……来世が少々怖いが」
占い師が水晶玉を覗いて言う。
「本当ですか?」
「ええ、あなたは家畜として飼われ、よく働いていたようです」
やれやれ、前世でも働き詰めか……私は苦笑した。叩き上げで社長になって数年が経つ。
「飼い主は……現在あなたの秘書をされている方」
「え?園山?」
「あなたは前世で、飼い主に相当こきつかわれ不満を抱えていたようです。その強い思いが現世へと繋がったのです」
「そんなことあるんですか?」
「ええ、すべての因果は廻っているのです」
「社長、どうでした?」
部屋から出た私を園山が迎える。
「廻り合わせってのは、不思議だな」
「……ということらしい。この後、社長は園山をこきつかい過労死に追いやった。そう占い師が教えてくれたよ」
監督が投手である私に言う。
「廻り合わせってのは、不思議だな。君にはこのチームで壊れるまで投げてもらう……来世が少々怖いが」
その他
公開:21/01/10 19:00
更新:21/01/10 19:28
更新:21/01/10 19:28
牛まつり
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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