留守番の条件

田舎の祖父母は不用心すぎる。
家の窓は開けっ放し。玄関に鍵もかけていない。これでは泥棒に「どうぞ入ってください」と言わんばかりだ。
私がいくら注意しても祖父母は改める気が一切ない。どうすればいいのやら…
「大丈夫だよ。万が一の為に留守番電話サービスに入っているんだから」
留守番電話サービス？このスマホ全盛期の時代に？そもそも固定電話とか必要？
父の言葉を鼻で笑う。
祖父母の家、黒電話じゃん。留守番電話サービス入れないじゃん。
「それはメッセージを残す為のもの。僕が言っているのは防犯用のものだよ」
防犯用留守番電話サービス？ますます意味が分からない。
父が私にある動画を見せてくれた。
祖父の家だ。そこに泥棒が入ろうとしている。ほら、言わんこっちゃない…
その泥棒が突然倒れた。
黒電話が受話器をヌンチャクの様に操り、泥棒に一撃を食らわしたのだ。
これが防犯用留守番電話サービス…凄い…強すぎる！