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俺は惑星ミノータに降り立った。
旨い牛が食べられるという噂を聞き、地球に戻る前に立ち寄ってみたのだ。
街にはそこら中に牛が放し飼いにされていた。少しギョッとしたが、人間に馴れているらしく大人しいものだ。
さっそく、ステーキ屋の看板を掲げる店に入ってみた。
「いらっしゃい!」
「いい匂いだ」
ボックス席に座り、500gのステーキを注文した。
じゅうじゅうと肉汁のしたたる塊を頬張ると、口いっぱいに旨味が広がった。
「こんなに旨い肉を喰ったのは初めてだよ!」
「うちの星の牛は特別製ですからねぇ」
俺はどんどんとステーキを注文し、その旨さに舌鼓を打った。
ああ、喰った喰った。
ちと食い過ぎたせいか、少し寝てしまったな。
ん、おや?
何で四つん這いになってるんだ?
必死に立ち上がろうとしたが、どうしても立てない。
「あーぁ、食べてすぐ寝ちゃうから⋯⋯」
店主は気の毒そうな目で、俺を見つめた──。
旨い牛が食べられるという噂を聞き、地球に戻る前に立ち寄ってみたのだ。
街にはそこら中に牛が放し飼いにされていた。少しギョッとしたが、人間に馴れているらしく大人しいものだ。
さっそく、ステーキ屋の看板を掲げる店に入ってみた。
「いらっしゃい!」
「いい匂いだ」
ボックス席に座り、500gのステーキを注文した。
じゅうじゅうと肉汁のしたたる塊を頬張ると、口いっぱいに旨味が広がった。
「こんなに旨い肉を喰ったのは初めてだよ!」
「うちの星の牛は特別製ですからねぇ」
俺はどんどんとステーキを注文し、その旨さに舌鼓を打った。
ああ、喰った喰った。
ちと食い過ぎたせいか、少し寝てしまったな。
ん、おや?
何で四つん這いになってるんだ?
必死に立ち上がろうとしたが、どうしても立てない。
「あーぁ、食べてすぐ寝ちゃうから⋯⋯」
店主は気の毒そうな目で、俺を見つめた──。
SF
公開:21/01/09 17:05
牛まつり
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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