松の内も過ぎたけれど

0
1

「そういや、最近はお正月だからといって、正月らしい行事をする人が少なくなったよね」

「だなあ。私が子供の頃なんか、家の前の道路で羽根突きをしたり、江戸川の河川敷まで行って凧揚げしたりしたのにね」

「そういう風情がなくなるのは寂しいね」

「うん。私もそう思うよ」

そうことばを交わすふたりは、青空を見上げていた。そこにはフライング・ヒューマノイドが浮かんでいたのだ。

「あれってなんだろうね?」

「たぶん、イギリス人が開発した例の凧なんじゃないかな?」

ふたりが納得しかけた時、“それ”は不可解な動きをしながら彼らに迫ってきた。そして、ニヤリと笑うと、ものすごい勢いで空の彼方に飛んでいってしまったのだ。

「あれ、凧じゃないよね?」

「だとしたら、いったいなんなんだろう?」

そこへ、第三者が現れてこう言った。

「そんなのUFOに決まってんじゃん!」
SF
公開:21/01/09 21:14
403 フライング・ヒューマノイド UFO 正月行事 凧揚げ

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

ツイッター
https://mobile.twitter.com/ookami1910

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容