きつね色のバタートースト

　人里へ出掛けたときのこと。僕は、とあるお宅のお庭にお邪魔した。

　大きなガラス障子越しにリビングを覗くと、妖艶な女性が、トーストを食べようとしていた。

｢きつね色、美味しそう～♪｣

　時折、真っ赤な舌が、そのエロい唇についたバターをペロッ♪　きつね色のトーストを、ひと口……、ふた口……と、いやらしく飲み込んで行く……。

　きつね色って、美味しそうなのか♪

　僕は、里山きってのエロぎつね。彼女のそのいやらしい唇から、｢美味しそう～、食べちゃいたい♪｣、とか言われたくて、ガラス障子を、右手で、コンコン♪　｢コンコン♪｣、と正真正銘きつね色を、彼女にアピール！

　すると、彼女の口から放たれた言葉は、

｢わぁ～、可愛い～♪｣

　だった……。

　僕は思わず、M→Sに変態ッ！

｢待ってた言葉、それちゃうねん！｣

　と、コンコンと説教！

　すると、彼女は、

｢知らんがな！｣