魔牛の初賭

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「ロン!」
「うわ、怪しいのはわかっていたんだけどな」
白煙の舞う個室に悲痛な声がこだまする。

「年始早々不運に見舞われましたな」
頭を抱えた破壊神を雀卓越しに見やりながら、新たな葉巻に火をつけるナンディン。MowMowと煙が舞う。

「じゃ、今年もよろしく」
「なんだい、勝ち逃げか?」
「ダチとの約束を思い出したんだ」
シヴァは牛頭の魔人と握手を交わした。
「ケンタウロス君にもよろしく」

魔人が出口へ向かうと、ちょうどドアが開き、すらりとした白肌の美少年が部屋に入ってきた。
「あ、お久しぶりです。えーと、ラビュリントスではお世話に……斉天大聖殿!」
「それは義兄弟の方だよ。それに先月も会ったじゃないか。迷路になってるのは君の頭だぜ」
ミノタウロスは気不味そうに太い角をかいた。

「さあて、魔王様もいらした事だし、仕切り直しだ!」
負け越しほぼ確の義経公は愉快そうに点棒を混ぜ合わせた。
ファンタジー
公開:21/01/08 20:00
更新:21/01/08 18:22
#牛まつり 言葉遊びは諦めた

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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