それはいつかの未来

「おまえ…そのおとこはだれだ。だれなんだ！」
「ちがうの、あなた！このひとはそんなひとじゃないわ！むかしのゆうじんなの！それだけよ！」
「そうですだんなさん！ぼくはやましいものではありません！」
「だまれ！！」

良く見る展開だ。
その様子を見て一番最初に思い浮かんだ感想は、そんなものだった。
本来なら微笑ましいハズの光景に、何故か冷や汗が滴り落ちる。

「……だってわるいのはあなたじゃない！けっこんしてから30ねん、いちどもわたしはまんぞくしたことなんてなかったのよ！」
「この、おまえというやつは！！」
「やめろ！かのじょにてをだすな！かのじょにさみしいおもいをさせたのはおまえだろう！」
「まおとこはひっこんでいろ！！」

ヒートアップする修羅場。そろそろ止めに入らなければいけないな。そう思って重い腰をあげる。

「とりあえず、後で職員会議ですかね」

議題は「園児のおままごとについて」