牛人間

「どこの店にもえげつない店員っておるよな」
「あぁ、確かにおるね」
「この前、飯屋におった店員は特にえげつなかったで」
「どんな店員？」
「見た目は牛、頭脳は人間、その名も牛人間」
「難事件解決してくれそうやん」
「モールス信号はお手のもの」
「モーだけに！て、しょーもな！」
「ほな、俺その牛人間やるから、お前お客さん頼むわ」
「牛が喋った？！」
「私は牛人間だモー」
「語尾ださっ！」
「ご注モーは？」
「無理にモー入れるな！」
「牛人間ですから」
「牛か人間かハッキリせぇ」
「生まれた時は人間でした」
「どないしたら牛になるねん」
「食後すぐ寝てただけ」
「妙なリアリティー！」
「こう見えて牛と人間のハーフなんですよ」
「見た目は牛、言うてたやん。まぁ、ええわ。両親どっちが牛なん？」
「母親」
「ははーん。父、乳好きやな！」
「モー、お客さぁん……」
「スベリましたね？みたいな顔すな！」