虹の降る町

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そこは地図にも載ってない町。冬はとても寒く、夏になっても地上に降り積もった雪は解けてなくなることのない、一年中寒い町。

そこで何年かに一度だけ『虹の雪』と呼ばれる七色に染まった雪が降ると言われていました。それは空から舞い降りる時だけ虹色をしており、地上に着いたときには白くなっているので、町に積もってる雪は普通の色をしているのでした。
 
その夜はとても冷えていました。ひどい猛吹雪が家の窓を叩き、皆が眠れない夜を過ごした次の日は晴れましたが、外へ出れば耳や顔のすべてが瞬く間に凍りついて痛くなるほどの寒さのため、誰一人外へ出ている者はなく、町の中はとても静かでした。 太陽だけが明るく優しく、穏やかに町を照らしています。

すると空から、3cmくらいの雪ーーというより平べったい氷の板のようなものが、太陽の光を反射し、七色の小さな虹をそれぞれの板に描いて、キラキラと舞い降りてきたのでした。
ファンタジー
公開:21/01/09 02:28

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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