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                                「酪農家になったんだって?」
彼とは、一緒にロックバンドをやっていた。実家に帰ったと聞き、牧場を訪ねた。
「家業を継いだだけさ」
彼はクールに言い放つ。
それより、牛舎に流れる爆音が気になって仕方がない。アメリカのロックバンド、エアロスミスだ。
「牛たちは平気なのか?」
「クラシックを聞かせると、たくさんお乳が出るのは知ってるだろう?」
確かに、新聞の記事で見た覚えがある。
ニヤリと笑って、彼は言う。
「このジャケットを見ろよ」
乳牛がアップになった写真だ。
『ゲット・ア・グリップ』か!
「そうだ、牛たちに最高のロックを聞かせてやろう」
牧草の山から、ギターとアンプを取り出した。
「ようこそ、俺のステージへ!」
ディストーションの効いたサウンドが、大音量で響き渡る。
観客(?)の反応はどうだろう。
「モー!」
一斉にブーイングが流れる。
あまり好みではなかったようだ。
    彼とは、一緒にロックバンドをやっていた。実家に帰ったと聞き、牧場を訪ねた。
「家業を継いだだけさ」
彼はクールに言い放つ。
それより、牛舎に流れる爆音が気になって仕方がない。アメリカのロックバンド、エアロスミスだ。
「牛たちは平気なのか?」
「クラシックを聞かせると、たくさんお乳が出るのは知ってるだろう?」
確かに、新聞の記事で見た覚えがある。
ニヤリと笑って、彼は言う。
「このジャケットを見ろよ」
乳牛がアップになった写真だ。
『ゲット・ア・グリップ』か!
「そうだ、牛たちに最高のロックを聞かせてやろう」
牧草の山から、ギターとアンプを取り出した。
「ようこそ、俺のステージへ!」
ディストーションの効いたサウンドが、大音量で響き渡る。
観客(?)の反応はどうだろう。
「モー!」
一斉にブーイングが流れる。
あまり好みではなかったようだ。
        その他
      
      公開:21/01/06 23:01
更新:21/01/06 23:10
    更新:21/01/06 23:10
                  牛まつり 
              
    "Plain words, honest hearts."ことばもこころも飾らない
誰かのこころに届く物語を綴っていきます。
▶︎noteはこちら
https://note.com/leyenda_rosa
 
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                ろっさ