新春牛漫才

「松阪でーす」
「神戸でーす」
「二人合わせて、ビーフ兄弟でーす」
「よろしくお願いしまーす」
「いやー今年は僕らの年、丑年やね」
「うん」
「頑張らなあかんね」
「うん」
「お客さんのハート、ギュウっと掴んで……牛だけに」
「うんうん」
「……いや、ツッコんで！」
「ごめん、聞いてなかった」
「なんでやねん！頷いてたやん！」
「あ、これ相槌ちゃうねん……赤べこの真似」
「伝わるか！」
「これでハートをギュウっと掴もうと」
「しっかり聞いとるやないか！」
「ギュウっと掴もうと……ギュウっと掴もうと」
「しょーもないボケ反芻せんでええ！どこで牛の習性出しとんねん！」
「今、お客さんの第三胃袋あたりやから」
「お客さん牛ちゃうわ！」
「え？この図体で？」
「失礼や！」
「ごめんなさい……いやー奥さん、ほんまにステーキやわ」
「変なとこ伸ばすな！モーええわ」
「どうも、ありがとうございましたー」