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カランカラン、カンカン。ジャラランラン。
うーん!うるさいっ。
都会の喧騒から離れて、穏やかで静かな暮らしを求めて山奥へと越してきたというのに、毎晩カウベルの音がうるさくて眠れない…どこまでも広がる牧草地、のどかに草をはむ牛の群れ、その向こうに見える険しい山脈。そんな景色に憧れていたのはいつのこと?今では、カランと音が聞こえただけで、頭に血がのぼってイライラ。カウベルの音に寛容になれない自分が情けない。
今夜も眠れぬ夜を過ごしていると、一番鳥が鳴いた。あ、もう朝か。
カランカラン。ジャラランラン。トントン。
カウベルとともに、ノックの音が聞こえた。ドアを開けると、少年が牛の下にしゃがんでお乳を搾っていた。牛の着ている法被の背中には「祭」の文字。
「法被乳 Yeah ! 乾杯っ!」
差し出された搾りたてのお乳を、少年と一緒に一気に飲み干す。満足気な少年の口元に、牛乳ヒゲが光っている。
うーん!うるさいっ。
都会の喧騒から離れて、穏やかで静かな暮らしを求めて山奥へと越してきたというのに、毎晩カウベルの音がうるさくて眠れない…どこまでも広がる牧草地、のどかに草をはむ牛の群れ、その向こうに見える険しい山脈。そんな景色に憧れていたのはいつのこと?今では、カランと音が聞こえただけで、頭に血がのぼってイライラ。カウベルの音に寛容になれない自分が情けない。
今夜も眠れぬ夜を過ごしていると、一番鳥が鳴いた。あ、もう朝か。
カランカラン。ジャラランラン。トントン。
カウベルとともに、ノックの音が聞こえた。ドアを開けると、少年が牛の下にしゃがんでお乳を搾っていた。牛の着ている法被の背中には「祭」の文字。
「法被乳 Yeah ! 乾杯っ!」
差し出された搾りたてのお乳を、少年と一緒に一気に飲み干す。満足気な少年の口元に、牛乳ヒゲが光っている。
公開:21/01/07 22:20
更新:21/01/08 17:54
更新:21/01/08 17:54
牛まつり
初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
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