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「犬を飼い始めたんだ。名前はゾゾ」
「へぇ」
僕はスマホを凝視したまま生返事をした。
「しつけとかもしてるんだ」
「お手とかお座りとか、ちゃんとやらないとね」
「いやそんなレベルのしつけじゃない。この前俺はゾゾに部屋の掃除をしつけた」
「何だって?」
僕はスマホを落とした。
「俺は掃除が嫌いだからね」
動画を見せてもらうと、本当に犬が掃除機を持って部屋を綺麗にしていた。
「もっと家事を覚えさせてやる」
「自分でやりな!」
しかし、洗濯物を干す動画やフライパンを持って炒飯を作るゾゾの姿を後日続けざまに見せられ、僕は驚嘆のあまり何も言えなくなった。
そんなある晩。彼から電話がかかってきた。
「やられた、ゾゾにドアのチェーン内側からかけられた」
「ざまぁみろ!」
僕は笑った。
だが僕たちは気がついていなかった。これが、地球をめぐる人間と犬の果てしない大戦争の序章となることを。
「へぇ」
僕はスマホを凝視したまま生返事をした。
「しつけとかもしてるんだ」
「お手とかお座りとか、ちゃんとやらないとね」
「いやそんなレベルのしつけじゃない。この前俺はゾゾに部屋の掃除をしつけた」
「何だって?」
僕はスマホを落とした。
「俺は掃除が嫌いだからね」
動画を見せてもらうと、本当に犬が掃除機を持って部屋を綺麗にしていた。
「もっと家事を覚えさせてやる」
「自分でやりな!」
しかし、洗濯物を干す動画やフライパンを持って炒飯を作るゾゾの姿を後日続けざまに見せられ、僕は驚嘆のあまり何も言えなくなった。
そんなある晩。彼から電話がかかってきた。
「やられた、ゾゾにドアのチェーン内側からかけられた」
「ざまぁみろ!」
僕は笑った。
だが僕たちは気がついていなかった。これが、地球をめぐる人間と犬の果てしない大戦争の序章となることを。
SF
公開:21/01/07 15:46
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