寄せ付けない

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何故ここにあるのかは分からなかった。
何時もはそこになかったのに、今日はあった。
いや、そもそもここにあるのはおかしい。
塀沿いに並ぶ、猫除けのペットボトルの隣に我が物顔で陳列されている。
タピオカミルクティーは未開封のままそこにあった。近くのコンビニで買える飲み物。流行りもの。
自分にとっては、それだけではない。

初めてタピオカジュースを飲んだ時だった。
歩きながら飲んでいたのが悪かった。勢いよく吸い込まれた黒い粒はストローを通して、私の喉を塞いだ。
混乱の中、空気を求めて喉に力が入り、さらに呼吸が苦しくなる。
三途の川に片足を突っ込み、過去の回想が始まりかけた時、漸くタピオカは胃の中に入っていった。
その時遠くで様子を見ていた友人曰く、私の体は小刻みに震えていたらしい。
自分は殆ど覚えていなかった。

苦々しい記憶を忘れようと、私はタピオカミルクティーを避けるように、道を歩いた。
その他
公開:20/10/28 22:34

Hiro.K( 日本 )

あまり文章を書くのが得意ではないのですが、出来る限り投稿していきたいと思っています。
よろしくお願いします。

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