「パンプディング」
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靴がプッチンした。ヒールが根元から折れたのだ。
全身を襲う浮遊感。それも束の間、私は逆さにされた。
とぅるん、と滑り降りた先は橙色の世界。ぷるん、と一揺れした脂肪を落ち着け、あたりを見まわす。
丸みの帯びた壁で四方を囲まれていた。靴の中にいた時のプラスチック臭はない。そのかわりに生臭さが鼻を刺す。頭上を見上げると透明のフィルターで覆われていた。
どうやら私は住処を移されたようだ。どうしたものか、と考えていると地が震えた。冷気を肌に感じると同時に、視界を奪われた。
それから何時間が過ぎただろうか。真っ暗闇の中、私の体は冷え切っていた。
柱時計の鐘が耳に入る。この音は午前零時の鐘。夢から醒める時刻。
「できたでー」
「なんこれ?」
「ご希望の品やん」
「俺が頼んだのはパンプディングやで?」
「かぼちゃプリンとちゃうん?」
「そうやったとしても、くり貫いたかぼちゃにプリン入れただけやんけ!」
全身を襲う浮遊感。それも束の間、私は逆さにされた。
とぅるん、と滑り降りた先は橙色の世界。ぷるん、と一揺れした脂肪を落ち着け、あたりを見まわす。
丸みの帯びた壁で四方を囲まれていた。靴の中にいた時のプラスチック臭はない。そのかわりに生臭さが鼻を刺す。頭上を見上げると透明のフィルターで覆われていた。
どうやら私は住処を移されたようだ。どうしたものか、と考えていると地が震えた。冷気を肌に感じると同時に、視界を奪われた。
それから何時間が過ぎただろうか。真っ暗闇の中、私の体は冷え切っていた。
柱時計の鐘が耳に入る。この音は午前零時の鐘。夢から醒める時刻。
「できたでー」
「なんこれ?」
「ご希望の品やん」
「俺が頼んだのはパンプディングやで?」
「かぼちゃプリンとちゃうん?」
「そうやったとしても、くり貫いたかぼちゃにプリン入れただけやんけ!」
その他
公開:20/10/28 21:00
『く』から始まる
『かぼちゃプリン』
そるとばたあTwitter企画
#ことば公園
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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