転生先はロブスター

前世で重い罪を犯した悪人と呼ばれる者は必ず前世の記憶を持ったままロブスターに転生させられる。
ロブスターに転生させられた者は驚くもそれを考える脳がない為にロブスターの生を謳歌しようとする。
なってしまえばロブスターも悪くない。脱皮をして大きくなる体は誇りに思えてくる。
しかしいい感じに大きくなると人に捕獲され、美味しく料理される。
普通のロブスターなら痛覚はないが転生ロブスターは別だ。料理される痛みを感じ、苦痛を味わう。
よしんば捕まらなかったロブスターも安心するのはまだ早い。
ロブスターは不老不死の生き物とされている。
脱皮をする度に内蔵も新しくなる事から、常に生まれ変わっている生き物だからである。
しかしそれが問題にもなる。脱皮をする度に大きく、新しくなるロブスターだが、脱皮できなければ自らの殻の中で圧死してしまう。
ロブスターに安寧の死などない。故に悪人はロブスターに転生させられる。