運の良い話

私は学校に着くとまず学食に向かう。学食の前に設置されてあるお弁当ガチャに硬貨を投入する。
ここ最近はのり弁しか出ていない。もっと良いものが出ますようにと願いながらハンドルを回す。
コトン…と音がしたので扉を開けてみるとなんと、一番豪華なDX弁当が当たってしまった！
立派なお重に入ったそれはお弁当というよりおせち料理。
当たったのは嬉しいが友達のいない私には荷が重い…そう考えるとため息が出た。これならのり弁のほうが良かったなぁ…

昼休み。皆が教室でお弁当を広げる中、私は恥ずかしさからDX弁当を取り出せないでいた。
「ねぇ貴方、今朝お弁当ガチャでDX弁当当てなかった？」
委員長で陸上部のエース、高木さんが私に声をかけて来た。
「お願い！私にも分けて！のり弁だけじゃ足りないの！」
高木さんとDXお弁当を囲む。最初はぎこちなかったけど、気付けば彼女と友達なっていた。
DX弁当が当たって良かった。