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この季節に薄桃色の花は咲き乱れる。

キミの事をずっと好きだ。

この想いが届くことはもうない。


キミが桜を見たいと言った。目一杯見たいと言った。だから閉ざされた場所から連れ出してあげた。

「わぁ...キレイ!」

舞った桜がキミの長い髪を飾る。
桜よりもキミの方がキレイだ。
キミの髪に手を伸ばしたい。
でも...そんな勇気はない。

この時、桜と同じ様に儚く散ることを知っていたら...
僕は手を伸ばせたのだろうか?

次に会えた時には、木の匂いのする箱の中で...桜ではないたくさんの花畑にキミは寝ていた。
とても幸せそうに。  


またこの季節が来る。
ようやく僕はその花に手を振る。

「好きだったよ...さようなら。」


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公開:20/10/29 16:25

howari

短編小説好きです。pixivで2次創作、エブリスタ、monogatary.comでオリジナル書いてます。まだまだ未熟ですがよろしくお願いします!

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