しろがね色の魂

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早朝の空に白い雲が浮かび上がる。
その中にひときわ白く金色に縁取られた雲が、まるで太陽に向かうように流れていく。

「あれは魂魄の集合体だよ」と、いつもそばにいる足元の影が囁く。

「魂が天国にいくところなんだね」と僕が言う。

「天国かどうかはわからない。魂魄は魂と魂の入れものと分離して、魂は天に、入れ物は地に行く。あの雲に見える集合体はまだ分離前だ」

「じゃあ、すべての魂はこれから選別されるのか。肉体が滅んでもなお誰かに裁かれるのか。なんかつらいことだねえ」

この世で生きているだけでも大変なのに、その先もまだあるのかと思うとやりきれない気持ちになってくる。

ため息をついていると影が揺らめいて小さくなって消え始めた。

「言葉に出しちゃダメだ。その言葉はお前を捉えて離さなくなる。だから言っちゃダメだ。これは最後の助言だ」
そう言うと影は消えていった。

「さようなら。僕の影」
ファンタジー
公開:20/10/29 16:19
更新:20/10/29 16:25

さとうつばめ( 東京 )

東京生まれ。
読書するジャンルは時代もの多め。ふふ。

*プロフィールお堅いので変えました。
書くの面白くて連投しましたが、長く続けるためにゆるゆるやっていこうかな。

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