運が良い話

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町を歩いていると幸薄そうな女が「募運に!募運に協力して下さい!」と声を張り上げていた。
募運って何だ?
「募金と同じで運の寄付を募っているんです。お願いします!母が成功率の低い手術を受けるんです!どうか貴方の運を分けて下さい」
俺は全運を寄付してやった。
女は驚いている。「いいんですか?」
俺には必要のないものだからな。

その日から最悪だった。
財布は落とすし、やろうとした事を人に止められる。
ツイてない人生にオサラバしようと自殺を試みたがそれすらも出来ないなんてどんだけツイていないんだ…
俺は死ぬ事もできず、漫然と生き続けた。

「見つけました!」
町を歩いていると後ろから声をかけられた。あの時の幸薄そうな女だ。
「貴方のおかげで母は助かりました」
それは良かったな。
「はい。貴方の出会いは幸運でした」
女は俺の手を掴む。熱っぽい目で俺を見る。

1年後、俺は彼女と結婚し幸福を掴んだ。
公開:20/10/27 18:56

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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