砂の妖怪

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そいつは砂の妖怪だった。色々な形に化けて現れる。名前はスーナと呼ばれた。

でもこいつは悪い奴じゃない。砂場に遊んでいる子供をおどかしたりするけど、とっても子供が好きなんだ。

この前さみしがり屋でひとりぼっちのカズが砂場で遊んでいた時も姿を現して一緒に遊んでいた。
そういえばカズが悪い大人に連れてかれそうになった時、スーナは砂の嵐を起こして追い払ったんだ。

泣いていたカズは「ありがとう」と言ってスーナに駆け寄った。スーナはカズを抱き締めたんだ。
だけど、カズの涙が止まらないから次第にスーナの体はドロドロになって
、元の砂になってしまった。

ビックリしたカズはもっと泣いた。せっかくの友達がなくなったから。

そして夕陽が見える頃、お母さんが迎えに来てくれたんだけど、カズはしばらく黙って突立っていた。
そして涙を拭いて
「バイバイ、スーナ…」

カズはスーナとお別れした。
ファンタジー
公開:20/10/27 10:54

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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