超常のミイラ

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「これ、ミイラ……だよなぁ」
 地下墓地探検隊の隊長は、とぼけたような声しか出すことができなかった。
 人間に対してやたらと大きい頭、貧相な顎と口。長い手足。どう見ても宇宙人だった。
「隊長、質感は人間のものと近いようですね」
 隊員の一人がミイラに手触れ、離した時だった。隊員が宙に浮遊したのだ。
「すっすご!」
 もう一人の隊員も続けてミイラに触れた。彼は2メートル前方に瞬間移動した。
「このミイラは人に超能力を宿すのか! いや、しかし」
 隊長が渋っている間に、他の隊員たちも、次々とミイラに触れ超能力を獲得していった。
「隊長もやりましょう。我々の身体機能には異常なし、危険物質反応もなしですし」
 とうとう、隊長もミイラに触れ、ゆっくりと離した。すると、未来のビジョンが脳裏に浮かんだ。
 天上に突き刺さった隊員、前面が壁にめり込んだ隊員、二人が起点となり部屋全体にひびが入り……
SF
公開:20/10/26 21:08

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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