真夜中のコインランドリー。

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 「飛び込みたい」
 目の前を終電が通り過ぎ、踏切が開く。
 風が街路樹を揺らす。明かりは月だけ。
 洗濯物を抱え、一歩踏み出す。


 誰もいないコインランドリー。
 半開きになった洗濯機のドア。
 一番奥の枯野色した洗濯機のもとへ。
 洗濯物を洗濯機に入れ、ドアを閉める。
 洗濯と乾燥コースを選ぶ。
 コインを入れる。


 終了時間 2:00


 動き出す洗濯機。回る洗濯物。
 秒針が時を刻む。風が闇を揺らす。
 
 







 ピーッと機械音。終わりの合図。

 洗濯物を取り出す。

 「真っ白になった」




 
 2:00を少し過ぎた時計。
 闇が支配する街。
 「なんでここに来たんだっけ…」




 真夜中のコインランドリー。
 薄汚れた看板の傾いた文字。
 “ココロが洗える洗濯機”
その他
公開:20/10/28 17:14
更新:20/10/28 22:33

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



note https://note.com/sumire_ssg

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