不幸から始まる恋

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「えっ…サイアク…」

私は寝室で布団に入ることなく、立ち尽くしていた。
冷や汗が背中を伝い、頭が真っ白だ。
ア、アイツが居る…。
真っ黒なアイツが。

急いで物置きの扉を開いたが、あれがない。
…どうしよう…あれがなきゃダメだ。
あれ以外で始末する方法なんて…ない。

買いに行こう!と急いで着替えて、玄関を飛び出した。
外は清々しいほどの爽やかな風が吹き抜けている。

横目に隣人の顔が見えた。挨拶だけしかしない隣人だが、
前から少しカッコいいなと思っていたのだ。

「どうしたんですか?顔まっ青ですよ?」
隣人の手には私が今すぐにでも欲しい物が握られている。

それは…ゴキジェットだ!

喉から手が出るほど欲しい…。
これは何かの〝縁〟だろう。
そう思い、私は隣人に叫んだ。

「ゴキジェット、貸して下さい!!」

私の恋は今始まったばかり。
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公開:20/10/28 13:17
更新:20/10/28 13:29
ヒューマンドラマ 隣人 笑える 不幸

howari

短編小説好きです。pixivで2次創作、エブリスタ、monogatary.comでオリジナル書いてます。まだまだ未熟ですがよろしくお願いします!

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